過去帳は、歴代住職の最初に、永正8年(1511)に往生された道祐律師を記しています。しかし言い伝えによれば、それ以前は現在よりはるかに広大な境内に七堂伽藍を有する天台宗の寺院であったと伝えられています。
 高田派の第十世御法主である真慧上人は、伊勢国への布教の拠点として一身田に無量寿寺を建立されます。この寺にその後間もなく本山機能が下野国(今の栃木県)の専修寺から遷されて(応仁、文明年間(1470年頃))今の高田本山専修寺となるのですが、その時代に、誓元寺も真宗高田派に転派したのではないかと推察されます。
 道祐律師を真宗高田派誓元寺初代住職とすれば、今の住職は第十八代住職ということになります。

誓元寺歴代住職

中興開山 道祐律師       永正 8年(1511)2月 朔日往生

第2世  釋秀月上人      天正 3年(1575)11月4日往生  

第3世  釋俊月上人      慶長10年(1605)7月24日往生

第4世  釋持教上人      寛永19年(1642)9月 4日往生

第5世  釋円隆上人      慶安 3年(1650)10月3日往生

第6世  元寂院釋正因上人   万治 元年(1658)9月28日往生

第7世  帰命院釋的翁栄辨上人 正徳 6年(1716)5月11日往生 行年80歳

第8世  一心院釋誓樹上人   宝暦 2年(1752)3月 7日往生 行年76歳

第9世  蓮正院釋栄樹上人   明和 8年(1771)8月26日往生 行年68歳

第10世 蓮受院釋辨雅上人   安永 3年(1774)4月26日往生 行年52歳

第11世 蓮心院釋因淨上人   享和 2年(1802)11月9日往生 行年59歳

第12世 蓮乗院釋法橋辨浄上人 天保15年(1844)8月 3日往生 行年69歳  

第13世 蓮明院釋法誠𣳾隆上人 明治 8年(1875)8月26日往生 行年75歳

第14世 蓮恭院釋廣量𣳾辨上人 昭和 5年(1930)2月 4日往生 行年88歳

第15世 蓮光院釋護法隆教上人 昭和17年(1942)3月20日往生 行年80歳

第16世 蓮浄院釋常然廣郭上人 昭和52年(1977)5月17日往生 行年87歳

第17世 蓮宮院釋和雅弘音上人 平成27年(2015)5月19日往生 行年95歳